近年、公的機関や自治体のWebサイトに利用されているドメインが更新されなかったり、放置されたりすることで、アダルトサイトやアフィリエイトサイト、詐欺サイトなどに不正に悪用されるケースが急増しています。
そもそも「ドメイン」とは、インターネット上で特定のWebサイトを識別するための住所のようなもので、たとえば厚生労働省のWebサイト「https://www.mhlw.go.jp/index.html 」であれば「mhlw.go.jp」などがこれに当たります。
公的機関や自治体が使用しなくなったドメインの契約が更新されずに放置されると、ドメインの販売を行う業者がこれを「再登録」し、民間事業者が購入、そしてアフィリエイトサイトや詐欺サイト、アダルトサイトなどに転用するのです。
このような悪用が始まる流れは、非常に危険です。
放置されたドメインを使った詐欺サイトは、一般市民が自治体の公式サイトだと思ってアクセスしてしまうことを狙います。
例えば、クレジットカード情報や個人情報を抜き取るために、偽の「税金納付ページ」や「住民票申請フォーム」などを作成するのです。
知らずにそのページで情報を入力した市民は、個人情報を盗まれ、最悪の場合、銀行口座の資金やクレジットカードからの不正引き落としなど、金銭的被害を受けることになります。
また、自治体側にとっても深刻な問題です。
詐欺サイトだけでなくアダルトサイトなどに転用されることで信頼を失うと、風評被害や市民からの信用を取り戻すのに膨大な時間とコストがかかります。
これらの事態を未然に防ぐために、ドメインの適切な管理と処分は、自治体にとって必須の課題です。